門司港レトロ大撮影会(2017年10月1日実施)

審査結果  

第39回キヤノンフォトクラブ北九州主催撮影会

  作 品 展 示

  展示会場 : 旧門司税関 2Fホール
            
 住所:福岡県北九州市門司区東港1−24    施設案内

  展示期間 : 2018年1月25日(木) 〜 1月30日(火)  ※最終日は15:00迄
  表彰式  :  1月28日(日)   10:00 〜

 

フォトコンテスト総評  出水恵利子先生 清水友渉先生  (EOS学園講師)

出水:参加された皆さんが本当に仲良く、とても楽しんで撮影されていたのが印象的でした。モデル撮影会の中には、いい作品を撮ろうとするあまり自分勝手な行動をしてしまう人も少なくないのですが、今回は皆さん紳士的で素晴らしかったですね。

清水:楽しんでいる感じがすごく出ていましたよね。あと、皆さんが何かを吸収して帰りたいと考えていることも強く伝わってきました。当日、撮影前に写真を見せながら、場所のポイントやモデルのしぐさによってどのような雰囲気で撮れるかを説明させてもらったのですが、しっかりと聞き、早速実践されていた方もたくさんいました。

出水:応募作品を見ると、前半で撮られたものより後半の作品の方が多かったですよね。だから、前半で受けた注意点をしっかりと反映して作品をつくられたのでしょう。

清水:全体を見て気になったのは、フレームギリギリまで詰めた作品が多かったことです。もっと背景を入れたり、空間をとったりして“風の通り道”をつくってほしいと思いました。ほかには、いじりすぎている作品も結構多かったですね。色だけでなく、シャープネスもかけすぎてモデルの肌までカリカリになっていたものもありました。

出水:いじりすぎてしまう原因の一つに構図ばかり気にしているということがあると思うんです。シャッターを切るときに、もっとさまざまなところに目を配らせる必要がありますよね。帰ってからパソコンで調整すればよいと考えるのではなく、たとえ無駄撃ちが多くなったとしても、現場でいろいろ試してほしいですね。

清水:「後でなんとかすればいい」という考えは捨てたほうがいいですよね。撮影している時間をもっと大切にしてほしいと思います。それに後で調整しようとしても、結局は記憶色だよりになって、その結果いじりすぎの写真になってしまう。

出水:そうですね。プリントで審査する場合、やはりプリントの良し悪しも重要になってきます。今回もせっかくよいシーンが撮れているのに調整を失敗している作品もありましたし、最近のカメラは、そこまで調整しなくてもきれいな作品が撮れるので、もっと素直に撮ってもらえればと思います。

審 査 結 果

賞 名 作品名 氏名
北九州市長賞 夢 想 内田 貞幸
北九州観光
コンベンション協会賞
MIRAI 周 黎波
プレミアホテル門司港賞 微 笑 宮崎 末美
門司港レトロ賞 窓辺にて 園田 逸子
入 選 想 い 工藤 勇三
風に吹かれて 平井 敬司
マドンナ 大川 とみえ
迷いの中で 梶原 大使
艶 香 臼本 豊
S・T・Y・L・E(スタイル) 福永 弘治
スマイル 黒木 丸生
視 線 中村 博
視 線 藤原百合子
見つめる女 河野 勉
佳 作 待ち合わせ 中島 良子
海辺の想い 高木 智子
ねぇ! 古市 英雄
スマイル 稗田 学
新しい世界へ 末永 祐二
光りに包まれて 宮 祐二
プロフィール 垣上 尚人
海峡の風を感じて 杉山 之威
みつめる 上田 英士
門司港物語 近弘 利文

 各作品紹介

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北九州市長賞   内田貞幸「夢想」

 清水:ポートレートの王道をいくような撮り方で、とてもきれいな作品という印象を抱きました。見ていると引き込まれるような魅力もあります。
出水:素直に撮っているのがいいですよね。最近はデジタルで自由に調整できるため、いじりすぎてしまう方も多いのですが、この作品は自然な仕上がりです。ピントもしっかりきていますし、目線をもらって表情もよい瞬間が写し止められています。
清水:モデルをちゃんと見ていることが伺えますよね。応募作品の中にはシャッターチャンスと合っていないようなものもあったのですが、内田さんは自分のイメージに沿って、モデルが見せるさまざまな動きの中から最良の瞬間を切り撮っています。その技量の高さはさすがだと思いました。
出水:レンズの長所も熟知され、適度な絞り具合で背景を柔らかくぼかし、モデルが引き立っています。一枚のポートレートとして非常に完成度の高い作品だと感じました。

 

北九州観光コンベンション協会賞    周 黎波「MIRAI

出水:ポートレートは撮影者が男性か女性かで印象が変わることがよくあります。女性はかわいいイメージを好むのに対し、男性は憧れからか美しさを求める傾向があります。そんな中、この作品は女性好みのかわいらしい印象の作品で目を引きました。
清水:アイテムの使い方がうまいですよね。傘の全体を入れるのではなく、一部分だけ切り撮りながら、しっかりと傘に描かれた花の模様も見せています。この傘の持ち方は出水先生がアドバイスされたんですよね?
出水:言ったかもしれないですね。普通に持つだけでは面白くないですし、傘の柄の部分が見えるのが気になることもあって。
清水:傘と顔が重なって刺さっているようになっているので、襟元をもう少し見せたほうがよかったかもしれませんね。ただ、全体をパステル調でまとめた明るい雰囲気がモデルともうまくマッチして、華やかな一枚になっています。

 

プレミア門司港ホテル賞    宮崎末美「微笑」

清水:階段に座ってもらったシーンですが、臆することなく正面から狙い、シンプルな構図でうまくまとめています。全体的に抑えた色のトーンもよく、モデルの表情やしぐさとも合っています。色っぽい印象があるのも作品をより魅力的にしました。
出水:確かに色っぽいですね。「見えちゃいそう」というか、それが微妙にくすぐる感じですよね(笑)。背景を程よくぼかした被写界深度も適切で、もし絞っていたら階段のラインがうるさくなっていたでしょう。
清水:自然とモデルに視線が行くように周辺を焼き込んでいるのか、レタッチ技術も素晴らしいです。不自然な感じがしないので、写真のよさがスッと入ってきました。
出水:レンズの周辺光量が落ちるのは自然なことですからね。それをうまく生かしていますよ。また、しっかりとモデルの意識を引きつけて撮っているのも素晴らしいと感じました。ポートレートで大事なのは声をかけるなどのモデルとのキャッチボールですが、作品からうまくコミュニケーションがとれていることが伝わってきました。

 

門司港レトロ賞  園田逸子「窓辺にて」

 出水:門司港のレトロな雰囲気に加え、モデルをしてくれたのが地元の女子大生ということもあり、「門司港レトロ賞」にふさわしい作品だと思って選出しました。柔らかい光をうまく生かしながら、素敵な空気感が写し止められています。
清水:雰囲気も素晴らしいですが、露出なども計算されていますね。柱をセンターに置いて世界を二分させながら、ハイライト部分のバランスを見極めて上手にコントロールされています。欲を言えば、もう少し下まで入れてもよかった気もしますが……。
出水:手の先まで入れたほうがよかったかもしれませんね。ただ、普通だとどちらか一人に絞ってしまいがちですが、柱を挟んで二人を立たせているのがいいですね。柱もちゃんとまっすぐにとらえられていますし、丁寧に撮影していることが伺えます。
清水:シンプルな構図もいいですね。二人の立っている角度もちょうどよく、正面を向いていたら顔が暗くなっていたと思うので、光をしっかり読めていたのでしょう。

入選

想 い
工藤 勇三
風に吹かれて
平井 敬司
マドンナ
大川 とみえ
迷いの中で
梶原 大使
艶 香
臼本 豊

S・T・Y・L・E
福永 弘治
スマイル
黒木 丸生
視 線
中村 博
視 線
藤原百合子
見つめる女
河野 勉

  佳作

待ち合わせ
中島 良子
海辺の想い
高木 智子
ねぇ!
古市 英雄
スマイル
稗田 学
新しい世界へ
末永 祐二

光りに包まれて
宮 祐二
プロフィール
垣上 尚人
海峡の風を感じて
杉山 之威
みつめる
上田 英士
門司港物語
近弘 利文