門司港レトロ大撮影会 審査結果
(門司港レトロ20周年記念)  

第38回キヤノンフォトクラブ北九州主催撮影会

  作 品 展 示

  展示会場 : 旧大連航路上屋 1F
            
 住所:福岡県北九州市門司区西海岸1-3-5    MAP
  展示期間 : 2016年3月25日(金) 〜 3月29日(火)
  表彰式  :  3月27日(日)   10:00 〜

 

フォトコンテスト総評              石井 秀俊 先生(名古屋EOS学園講師)

モデル撮影会の審査では、モデルの個性をどのように作品に生かすかが重要です。また、撮影のときに我々が出した難題、光の条件や背景の選び方、動きのあるシーンといったテーマに、どのような作品で答えてくれるのかも大きなポイントになってきます。今回、上位入賞を果たした作品は、自らが持っているテクニックを最大限に使い、我々の難題に見事に答えてくれた作品です。目の前のロケーションを見渡し、邪魔なものをいかに削るか。また、たとえ邪魔なものを写したとしても、画像処理を施すことで目立たなくさせるなど、上位作品にはそうしたテクニックが随所に見られました。動きのあるシーンでは、シャッター速度や絞りの選択、ピントの合わせ方といった基本的なテクニックがなければ作品にはなりません。それらの技術を持った上で、次に構図にこだわれるようになるのです。今回、入賞を逃した方は、上位作品を見て、どのようなテクニックが使われているのかをぜひ参考にしてください。

また、全体を通して、プリントの質が高い作品が少なかった印象があります。せっかくよい瞬間がとらえられているのに、プリントが悪いために賞を逃した作品もありました。写真は、撮影だけ楽しめばよいというものではありません。撮影後、しっかりと写真と向き合い、どのように自分の世界観を作り上げるか。撮影のときだけでなく、撮った後も時間をかけて楽しめば楽しむほど、よい作品が生み出せるのです

審 査 結 果

賞 名

作 品 名

作 者

北九州市長賞 

夕  刻

垣上 尚人

観光協会長賞

今、着いたよ

高宮 祐二

JR門司港駅長賞

可愛い駅長さん

宮崎 末美

門司港レトロ賞

レトロな散歩 

西平 研二

門司港ホテル賞

赤の肖像

河野    勉

入選

レトロこまち参上

今石 貞夫

駅前にて

安藤 芳博

さあ・行くぞ

勝田 泰夫

赤いTemptation

中司 雅信

視  線 

吉井 莞二

レトロのレンガ

中村  博

旅への誘い

有吉  昇

連結解除完了

園田 逸子

ねむれるお姫様

櫻木 義隆

館の女

近藤 幸子

佳作

散  歩 

林   博 

想  い

馬田 哲男

出発進行

八坂 宗徳

赤い妖精

薬師浦 孝治

視  線

大嶋 俊子

ポーズ

谷 やすし

微笑返し

片山 豊相 

視 線

大川 とみえ

樹の下で

藤野 昌隆

大正ロマンを今に感じながら・・・

松岡 幸宏

 各作品紹介

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≪北九州市長賞作品講評≫         夕  刻          垣上 尚人 

まるで映画のワンシーンのような情景で、一目見て作者の技術力の高さが感じられます。このロケーションの中でモデルがこの場に立った段階から、作品の仕上がりイメージができていたのでしょう。建物の入れ方やモデルの配置など、広角レンズの特徴を生かしたフレーミングが素晴らしく、画面右下にある邪魔になりそうな二つの箱も同色にまとめることで目立たなくしています。光の条件や雲の表情も、この世界観に合っていますね。完成度の高い作品から、作者がこの撮影会を思う存分楽しみ、さらに、撮影が終わってからの作業も楽しみながら行っていたことが伝わってきます。

≪観光協会長賞作品講評≫         今、着いたよ!   高宮 祐二

?電話をかけながら歩いているというシチュエーションですが、的確なシャッター速度で動きの中の一瞬を写し止めています。AIサーボAFをしっかりと使っているのでしょう、ピントもバッチリですね。トンネル構図で遠近感を出すなど、モデルの配置や構図の決め方にもセンスのよさを感じます。モデルの足の動きがかわいらしい瞬間をとらえ、さらに、モデルがカメラ目線のように見えるポジション取りも完璧でした。リハーサルを繰り返す中でシャッターを切る瞬間を見極め、ベストな構図が作れるポジションに立ったのでしょう。非常に計算が行き届いた一枚です。

≪JR門司港駅長賞作品講評≫     可愛い駅長さん   宮崎 末美

フレーミングのしかたや背景の処理がとても上手です。画面の左端ギリギリに柱を置いてトンネル構図を作りながら、後ろを歩いている人たちのボケ具合も絶妙です。これだけ人がいると雑然としてしまいがちですが、うまくぼかしていることでよい脇役になっています。また、後ろの人たちの配置とモデルの髪の毛のラインや手の位置のバランスがよく、よいタイミングでシャッターを切りました。少し斜めにかぶった帽子や大きすぎる上着が「かわいい駅長さん」というタイトルにマッチし、左から当たる優しい光や風になびいている髪も、モデルの魅力をうまく引き出しています。

≪門司港レトロ賞観作品講評≫        レトロな散歩     西平 研二

タイトルを見ずに選んだのですが、「門司港レトロ賞」にぴったりのタイトルで思わず笑ってしまいました。歩いているレトロ小町の二人が振り向いた瞬間を切り撮り、とても自然な笑顔が写し止められています。二人の姿を大きく写すのではなく、周囲の雰囲気も伝わるようにあえて引いた狙いも成功しています。しかも、余分なものが写り込まないギリギリのフレーミングをしながら、建物の左側の陰になっているところや右上の屋根など、色の濃い部分を端に写すことで画面を締めています。動きの中の一瞬をとらえつつ、画面の四隅まで気を配って撮影しているのが素晴らしいです。

≪門司港ホテル賞作品講評≫        赤の肖像        河野    勉

ポートレートの王道を感じさせる魅力があり、まさに「シンプル イズ ベスト」を体現した作品です。何よりも素晴らしいのは、一切妥協することなく、自分のイメージ通りの世界をつくり上げたプリント技術の高さです。おそらく、プリントするまでに長い時間この作品と向き合ったのでしょう。モデルの赤い服と、腕や顎から首にかけての美しいラインに着目し、それが浮き立つような画像処理が施されています。赤を際立たせるために肌の色が少し白くなっていますが、少々の犠牲を払ってでも赤を印象的に出したいという作者の潔さに感心しました。見事な一枚から、作者の作品に対する愛が伝わってきます。

 入選

今石 貞夫

安藤 芳博

勝田 泰夫

中司 雅信

吉井 莞二

中村  博

有吉  昇

園田 逸子

櫻木 義隆

近藤 幸子

  佳作

林   博 

馬田 哲男

八坂 宗徳

薬師浦 孝治

大嶋 俊子

谷 やすし

片山 豊相 

大川 とみえ

藤野 昌隆

松岡 幸宏