2014年   門司港レトロ大撮影会

コンテスト審査結果

2014年10月5日(日)  実施分

作品展会場 

門司港ホテル内 ヴァストホール

作品展期間 

 2015年3月20日〜3月26日

表彰式 

 2015年3月22日 10:00より 会場内にて

 

   審査 : 榎並悦子先生    土屋勝義先生

土屋:ポートレートの撮影会では、どうしてもモデルの表情ばかりを追いかけ、記念撮影のような写真になってしまうことが少なくありません。その中で、今回の上位作品は、モデルの表情がよいのはもちろん、この場の雰囲気や切り撮る瞬間など、いくつもの要素が組み合わさった作品になっていると感じました。天候など決してよい撮影条件とは言えない中で、よくこれだけのものを撮ったと感心しました。

榎並:そうですね、雨が降りそうな天気だったので暗いシーンも多く、賞からもれた作品の中には、ブレが気になるものもありました。ただ、全体的に言えるのは、皆さんとても熱心で、事前にイメージを固めてから撮影会に参加された人がたくさんいらっしゃったのではないかと思いました。おそらく、何度もこの場所で撮影されて、この場所のよさを熟知されているのでしょう。土屋さんもおっしゃったように、上位の作品は、モデルの表情だけでなく、背景に気を使って、この場のレトロな雰囲気を表現した作品になりました。

土屋:賞に入らなかった作品の中には、ピントが甘かったり、露出がずれていたりと、最低限のことができていない作品もあったのが気になりました。やはり、それらの基本的な部分がしっかりできている上で、モデルの表情やタイミングのよさなど、プラスアルファの部分がある作品が、こうしたコンテストでは上位になると思います。

榎並:惜しくも選にもれてしまった方は、入賞作品を見て、参考にされるといいと思います。ほかの方の作品を見るのが一番の勉強になりますし、「同じ場所でも、このような撮り方があるのか」という気付きが、写真の上達につながると思います。

土屋:そうですね。ただ、今回の撮影会を通して、皆さんがとても楽しんで撮影をしていることが感じられて、とてもよかったと思いました。

 

 
 

画題

氏名

 選 評

北九州市長賞

旅のはじまり

  西平 研二

榎並:前ボケの緑が非常に鮮やかで、パッと目に飛び込んできた作品です。門司港駅構内のモデルさんを外からねらっていますが、この場の雰囲気もうまくとらえていますね。

土屋:駅名標や5番線の表示板の使い方が上手ですよね。モデルが立っているところが少し暗かったため、手前の緑がハイキーになっている点もよかったです。ホームの外から撮っていると思いますが、電車が来た瞬間というタイミングもバッチリでした。

榎並:もし電車がなかったら、違う印象になっていたでしょう。撮影会の中でほかの人と違う視点を見つけるのは難しいのですが、よくこのアングルを探し出しました。もしかしたら、撮影会の前からこのような作品のイメージを持っていらしたのかもしれません。

土屋:モデルがおろそかになっていない点も素晴らしいですよ。モデルの表情やしぐさのよい瞬間が見事にとらえられています。作者の技量の高さがうかがえる一枚です。

観光協会長賞

風 舞

垣上 尚人

土屋:タイトル通り、髪の毛が風に舞っている瞬間をとらえた作品です。この場面を撮影された方はたくさんいましたが、髪の毛のバランスがよく、全体をローキーでまとめるなど、この作品が最も完成度が高かったですね。

榎並:そうですね。連写で撮られた中の一枚だと思いますが、単に撮っただけではなく、ローキーにしていることで、印象的な作品に仕上がっています。

土屋:妖艶というか、爽やかとは違う雰囲気に惹かれました。画像処理をしたのかもしれませんが、モデルの顔の部分が明るくなっているのもいいですね。欲を言えば、右側の髪の毛の先が切れてしまっているのが残念でしたが……。

榎並:ただ、それは予測がつかないものだから、しようがないでしょう。それよりも、髪の毛の踊っている感じや、特に左側の髪の毛の躍動感が見事でした。

JR門司港
駅長賞

旅 愁

有吉 昇

土屋:見た瞬間に惹かれた作品です。着物姿のモデルを写していますが、憂いのある表情が魅力的ですね。

榎並:矢羽根柄の着物や手に持っている巾着袋からレトロな雰囲気も伝わってきます。モデルが笑顔を見せている瞬間をとらえた作品もありましたが、この場には、こうした表情の方が合っているように思いました。

土屋:そうですね。僕もこのうつむき加減の横顔に惹かれました。ポートレート作品としての質も高く、駅の様子や衣装の印象が、哀愁あるモデルの表情を引き立てています。

榎並:構図がしっかりと考えられている点も素晴らしいですね。背景をぼかしながら、奥行きもうまく出しています。情緒が感じられる空気感もよく、ここに行きたくなるような魅力をまとった素敵な作品です。

門司港レトロ賞

  Love門司港

安藤 弘幸

榎並:普段は観光客に着物の着付けをしているという「レトロ小町」の二人を写した作品ですが、画面から二人の地元愛がにじみ出ています。ハートをつくったポーズからも、二人の楽しげな様子が伝わってきますね。

土屋:プロのモデルではないため、よい表情を引き出すのが難しいのですが、ポーズをとらせることでうまく引き出せたのでしょう。しかも、二人とも笑顔の瞬間というのが素晴らしいです。よいタイミングでシャッターを切りました。

榎並:背景に赤いレンガが少し見える構図もよかったです。

土屋:しっかり背景を意識して撮影したのでしょう。下からあおって背景に赤レンガを写すことで、門司港のレトロな雰囲気がうまく表現されています。

 

 

入選

画   題

氏   名

波止場

臼本 豊

午後のひととき

吉井 莞二

ヒ・ト・ミ

河野 勉

微笑み

黒木 丸生

見返り美人

山本 顕治

炎の様に

大川 とみえ

まなざし

宮崎 末美

まなざし

木下 啓

出発

井上 修

レトロ・こまち・メモリー

中司 雅信

 

 

佳作

画   題

氏   名

跳ねる

園田 逸子

れとろこまち

菊池 勝也

ホームの中で

上田 英士

想い

中尾 勝人

窓辺

齋藤 貞雄

赤壁(セキヘキ)の美女

橋本 倍旺

heart warming

杉山 之威

小島 干斉

電車の中で

上田 力三

港にて

矢永  憲行

 

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